炭水化物と脂質、どっちを減らすの?
世の中にはいろんなダイエット法がある。 りんごダイエットやバナナダイエットなどの単品ダイエットを除いても、例えば・・・極端に摂取カロリーを減らす「マイクロダイエット」、炭水化物(糖質)を減らす「ローカーボダイエット」(アトキンス式)、脂肪を減らす「ローファットダイエット」、たんぱく質・炭水化物・脂質の比率を40:30:30にするという「Zoneダイエット」(シアーズ式/マフェトン理論)などが世界中でよく知られておる。
いったいどれが正しく、効果的なダイエットなのじゃろう?
簡単にその特長と、それぞれの主張をまとめておこう。
1. マイクロダイエット
<特長>極端に摂取カロリーを減らすことで短期間に効果的に痩せられる。
<主張> 単に食事を減らしただけではバランスが悪くなりがちなミネラルやビタミンの補給に考慮した特別食
2. ローカーボダイエット(低インスリンダイエットもこれに近い)
<特長>糖質・炭水化物の摂取を減らす
<主張>食後の急激な血糖値上昇を抑えることで脂肪が蓄積しにくくなる。
3. ローファットダイエット
<特長>脂質(特に動物性脂質)の摂取を減らす
<主張>脂質はグラムあたりのカロリーが最も高いので、脂質を減らすことで効果的に減量。 体重だけの問題ではなく脂質の過剰摂取は動脈疾患のリスクに密接に関連している。
4. ゾーンダイエット(4:3:3)
<特長>たんぱく質・炭水化物・脂質の比率を40:30:30にする
<主張>有酸素運動のエネルギー源は脂質なので、脂質を減らしすぎず、効果的に体脂肪の燃える体質を作る。
それぞれの主張は矛盾しておるから、どれかが正しいならどれかがウソ、ということになると思うじゃろ? そうではないんじゃ。 すべてそれなりに真理なのじゃよ。 じゃが、それぞれ前提条件があるのじゃ。
例えばゾーンダイエットじゃが、これは毎日必ず有酸素運動を実行している人にはとても効果的じゃよ。
有酸素運動のエネルギー源は、脂肪じゃからの。 しかし、運動をサボって脂質を多めに取ったら、どうなるか考えてみよ。 過剰な脂質はすべて体脂肪に直行じゃ。
運動をあまりしない知的労働者の
エネルギー源は、糖質なのじゃ。
筋肉は脂肪やたんぱく質をエネルギーに変える事が出来るが、大脳はブドウ糖しかエネルギーとして利用できないんじゃ。 じゃから、日ごろ運動不足気味の会社員などは、むしろ糖質の比率の高い食事(ローファットダイエット)の方が理にかなっておるというわけじゃ。
ローカーボダイエットは、日ごろ野菜を摂る習慣がなく、麺類や丼ものなど一点ものを好む人が採用すると、短期間によい結果が出る事が多い。 その意味では簡単で効果的なダイエット法と言えるじゃろう。
じゃが、わしに言わせればそれは本末転倒じゃ。
ローカーボダイエットの場合、単に炭水化物を減らしただけでは満腹できないので、その代償に摂取する脂質が増えてしまい、減量に失敗するケースが多い。
まず野菜をたくさん摂るのじゃ。 そうすれば自然に食後の血糖値の上昇も緩やかになり、ローカーボダイエットと同じ効果が出る。
マイクロダイエットは・・・あ~、特定の業者を攻撃することになると後が怖いので多くは語らんが・・・これは痩せた後が問題なんじゃよ。 急に痩せると、そのあとそれを維持するのはやせるより大変なことと心得よ。
長くなったので今日はここまでとする。 次回をお楽しみに。
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はじめまして。
炭水化物抜きダイエット成功者です。
「なんだ、ご飯やパン、麺類を抜けばいいんだ」とまあそうなんですが、その代わり、仙人さんのいうとおり、野菜をたくさん、あとは他の食材も満遍なく食べるので、かなり食事に気を使いました。(成功したらマイナス10KGですから報われましたが)
炭水化物って本当にたくさんあるんですよね。野菜と思われがちな芋類、コーンなど穀物はもちろん、大好きなカレーだってそうだし・・・
でもいろいろと勉強になりましたよ。
by ゆうき (2006-05-19 09:32)
ゾーンダイエットフリークから一言。
バリーシアーズは:
<主張>有酸素運動のエネルギー源は脂質なので、脂質を減らしすぎず、効果的に体脂肪の燃える体質を作る。
ではなく
<主張>脂質を4・3・3の3以上でも以下でもない量を必・ず・摂りましょう。 脂質を摂らなければ脂肪が燃えません。
と、言っています。 必ずしも、有酸素運動のための脂肪ではありません。 こよなく理想的なメタボリズム(つまり、心身ともに健康な身体を造る)を導くための脂質です。
ちなみに、ゾーンに入ると“寝転んでTVを観ていても脂肪が燃え、筋肉量がアップします”とも書いています。 勿論、有酸素運動をすればなお結構と、ウォーキングを勧めていますが。
by けんこおたく (2006-07-08 17:38)
シアーズの主張の訂正ありがとう。
ところで:
「寝転んでTVを観ていても脂肪が燃え、筋肉量がアップします」
前半はそのとおりじゃろう。 生命維持(内臓の活動エネルギーや、重力に対抗する筋肉運動)もある意味有酸素状態での代謝活動じゃから。
じゃが「寝ていても筋肉量アップ」は眉唾じゃの。
極端な例じゃが: 寝たきりの患者は中心静脈栄養(点滴)で完璧な栄養バランスにコントロールする事が可能じゃ。 しかし筋肉が落ちるのはどうしても避けられん。 それが治療スタッフとリハビリ関係者の悩みじゃ。 ゾーンダイエット理論で「寝ていても筋肉量アップ」が出来れば朗報なのじゃがのぅ・・・。
by 仙人ムラカミ (2006-07-14 15:33)
「眉唾」を折伏するほどには記憶があいまいで(笑)元本はかなり読みやすいですから、一度読んで見られると納得します。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/customer-reviews/0060987162/249-2857728-1336326?s=english-books
翻訳が不味くておもしろく読めません。 これが上記の日本語板とされていますが、かなりはつっています。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4794206976/249-2857728-1336326?v=glance&n=465392
by けんこおたく (2006-07-15 18:13)